キリスト教トピックス 2009 No.10 <オリエンス 昨日・今日・明日>

 「布教」から「福音宣教」へ――40年の歩み

オリエンス宗教研究所は2008年12月、創立50周年を迎えました。数回にわたり、当研究所で刊行している雑誌の創刊時のエピソードなどをふり返ってみます。

1985年「福音宣教」1月号より

『布教』1984年1月号『福音宣教』1985年1月号    
 
 「布教――The Japan Missionary Bulletin」が新しく「福音宣教」として発刊されるに際して、今、ここに、この雑誌の歴史を簡単に述べて、読者のみなさまのいっそうのご理解とご支援をお願いしたいと存じます。

 「布教」の先駆けともいうべき雑誌のあったことをご存知の方は恐らくおられないかもしれませんが、すでに40数年前(1985年当時)、邦文とラテン文による″布教″という雑誌が司祭のために発行されておりました。1938年11月から1941年10月まで――第二次世界大戦前のことです。
 終戦後、いち早く、司祭、とくに新しく来日する外人宣教師のために雑誌が必要ではないかと提言されたのはJ・ロゲンドルフ神父様(イエズス会)でした。そして、1947年、ロゲンドルフ神父様はL・H・チベッサ神父様(メリノール会)とともにMissionary Bulletinを創刊されました。創刊当初は謄写版刷りの粗末なものでしたが、第4号(1947年5月発行)からは活版印刷の形のととのった雑誌になりました。
 1949年、カシュミター神父様がお一人で編集責任をとられることになり、形はかなり小さなものになりました。この小型の雑誌は1954年までつづきますが、その間、発行回数はまちまちで、毎月のこともあれば、隔月あるいは季刊のこともありました。掲載記事はすべて英文でした。

 1955年、Missionary Bulletinは当時J・スパー神父様(淳心会)が姫路で発行していたApostolatusと合併されます。現在の「布教」と大体同じ体裁の雑誌で、カシュミター神父様とスパー神父様の共同編さんで、布教委員会によって発行されました。記事は英文と邦文、ときには仏文記事が掲載されることもありました。1959年に、誌名(英文)はThe Japan Missionary Bulletinに改められます。そして、布教委員会の解散にともない、1962年からは新しく設立されたオリエンス宗教研究所が「布教」を発行することになりました。J・スパー神父様が引きつづき編集責任に当たり、その後10年間、F・アッテンダーレ神父様(淳心会)の協力を得て「布教」誌の発展につくしました。
 1972年、R・レンソン(淳心会)が編集責任者となり、このころから邦人司祭の緊密な協力を得て、とくに邦文部門の充実が計られるようになりました。関根英雄神父様(東京教区司祭)、吉池好髙神父様(東京教区司祭)、佐々木博神父様(仙台教区司祭)がつぎつぎに編集責任の労をとられ、全国に呼びかけて、司祭、修道者、そして信徒の方々にも協力をお願いしました。

 「布教」は、このようにして、英文と邦文の両部門をあわせもつユニークな宣教司牧の専門誌として、国内のみならず広く海外にも多数の購読者を得て、今日まで発展しつづけてまいりました。そして、この度、時のしるしに応えて、大きく、新しい第一歩を踏み出すことになったのです。
 「布教――The Japan Missionary Bulletin」は、1985年を期して邦文と英文を分離いたしました。邦文部門は、「福音宣教」と誌名を改め、岡田武夫神父様(東京教区司祭:1985年当時)とR・レンソンが編集責任に当たり、英文部門は、季刊誌The Japan Missionary Bulletin(1993年にThe Japan Mission Journalに変更)としてR・レンソンの編集責任で発行をつづけます。この邦英両誌が引きつづき互いに連絡をとり助け合ってゆくことはいうまでもありませんが、この相互協力は、今後ますます強化されることでありましょう。

 この機会に、「布教――The Japan Missionary Bulletin」を今日まで支えてくださいました多くの方々を思いおこし、つつしんで感謝の意を表します。歴代の編集責任、編集委員の方々はもとより、数えられないほど多くの方々が貴重な時間と労力を本誌のためにささげてくださいました。また、毎月つつがなく本誌を送り出すために励んできたオリエンス宗教研究所のスタッフのみなさんにも厚く御礼申し上げます。
 みなさん、ありがとうございました。これからも、変わらぬご支援とご協力を、新しい「福音宣教」のためにお願いいたします。
                               オリエンス宗教研究所
                               所長 R・レンソン(1985年当時)


<コメント>「福音宣教」編集長 鈴木 隆
 キリスト者にとって、つねに新しく、しかもつねに永遠の課題である福音宣教を、日本のその時々の社会の中で果たしていくための「英知」を分かち合う情報誌は、「布教」の時代を約40年間、そして「福音宣教」となってから約25年間の歴史を歩んで、今日に至っている。
 その間、カトリック教会では第二バチカン公会議が開催され、キリスト者すべてが福音宣教の使命をいただいていることが確認された。そして、教皇ヨハネ・パウロ二世は、1988年、使徒的勧告「信徒の召命と使命」を発表されたのである。
 このようなカトリック教会の時のしるしを読むと、1980年代、本誌の作り方を大きく変えることが必要とされたことがわかる。それはほかでもなく、司祭・修道者のためだけでなく、信徒のためにも、福音宣教の知恵を分かち合うという役割だった。
 現在、編集長、編集スタッフを信徒が担い、また企画委員にも多くの信徒が加わりながら、今の日本によきおとずれを告げることができるよう、情報の収集と発信にあったっている。
 読者の祈りと励ましとに支えられながら、私たちがいただいた使命を全うすることができるように、祈り願っている。


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