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コラム

コラム一覧へ 「キリスト教一致祈禱週間」は何のため?

パウロ酒井俊弘(大阪教区補佐司教)
 明日一月十八日から二十五日の聖パウロの回心の祝日までは「キリスト教一致祈禱週間」です。そこで、質問。この祈禱週間の目的は「一致のため」に祈ることでしょうか、それとも「一致して」祈ることでしょうか。
 キリスト者間の一致を回復するためのエキュメニズム(教会一致)運動は、第二バチカン公会議以降さまざまな行動が取られてきました。その目的はキリストを信じるすべての人たちの「一致のため」ですが、複雑な歴史的な経緯から生じた分裂と、信じている教義や典礼の習慣などの差異のために、その実現は簡単ではありません。けれども、難しいことだからこそ、まずできることである「一致して」祈ることが大切だと言えます。つまり、最終目的は「一致する」ですが、すぐに実現可能な目的は「一致して祈る」ことだということです。
 教皇庁キリスト教一致推進評議会と世界教会協議会(WCC)は、毎年テーマを決め、「礼拝式文」と「八日間のための聖書と祈り」を作成し、日本語の小冊子も発行されています。ぜひ明日からの一週間、この小冊子や別の形をもって、キリスト教「一致のため」に祈りましょう。そして、身近にカトリック以外のキリスト者とともに「一致して」祈る機会があれば、ぜひ参加してみてください。
 オプス・デイ属人区の創立者、聖ホセマリア・エスクリバーはある時、カトリック信者を夫にもつ、メソジスト教会信者の方に向かってこう言いました。「わたしはあなたの信仰の自由を守るためなら百回でも命を投げ出します。けれども、わたしは自分が本当の信仰をもっていると心から信じています。そうでなければ、こんな(自分が着ていたスータンを指して)傘の袋のようなものは着ませんから(笑)」(『オプス・デイ創立者小伝』)。
 互いの信仰を尊重しながら、いつの日か一致することを夢見つつ、一致して祈ることを続けたいものです。
(『聖書と典礼』2021年1月17日より)

『聖書と典礼』年間第2主日 B年(2021年1月17日)表紙絵解説

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