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研究活動

オリエンス・セミナー

2002年から始まったオリエンス・セミナー(共同研究会)は、当初掲げられた研究テーマ「信仰の目をもってする近代日本精神史の諸相の検討」以来、今日まで、主として日本におけるキリスト教のありかたをめぐって種々の課題を検討してきました。

オリエンス・セミナー2018〜2020年度テーマ
「現代社会における伝統の新たな役割」


 人間は歴史を積み重ねていく中、より幸せになるために、科学技術を発展させてきた。しかしながら、進行するIT(情報技術)の発展は、私たちに幸福をもらすばかりではなく、多くの人々がそれに支配されているという側面も出現させた。社会や環境の急激な変化、極度の個人主義、人間の関係性の希薄化や変貌などによって、人命の価値が揺らぎ危機に瀕しているとさえ言えよう。その影響は社会生活のあらゆる側面に及んでいる。最近、このITを中心とする世界はあたかも「仮想現実なのか?」と思えるような、自立したデジタル生物や人間を作り上げようとする「ポストヒューマン」思想にまで展開しているようである。しかも、人生においての安心感や価値観の基準が、宗教・道徳・品格によるのではなく、数理的な統計データによって定められるようになった感がある。
 このような人間の存在や社会の将来を脅かそうとしている動きに歯止めをかけようとする人々が現れてきている。彼らは、遺伝子組み換え作物や効率を優先させる経済を否定し、人生の根源的な問いを考えている。世界の状況が激しく変化する中、宗教や伝統に重きを置いた価値にこそ重んじられるべきものもあると考え、こうした現代の危機への認識から出発し、科学技術のもたらす利便性の拡大とその可能性を利用しつつ、生きる喜び・幸せな人生を見出すために、価値観の多様性と時代の変化への対応を考察してみたい。
 ついては、2016-17年の当セミナーにおける「かかわりを通して得る喜び」というテーマに引き続き、2018年より、教皇フランシスコの使徒的勧告『愛のよろこび』において取り上げられている家族・家庭の諸問題も視野に入れながら、よりよい社会の連帯性と人間の絆を取り戻す宗教、伝統の新たな役割を探っていく。


=次回開催予定=
 未 定

※ ご出席をご希望の方は、当研究所までご連絡ください。

>>>過去の開催テーマ
(役職名は当時)

  
「オリエンス・セミナー」の発表・研究をまとめた書籍


『生きる意味――キリスト教への問いかけ』
清水正之・鶴岡賀雄・桑原直己・釘宮明美 編
詳細はこちら

『キリスト教と日本の深層』
加藤信朗 監修 鶴岡賀雄・桑原直己・田畑邦治 編
詳細はこちら

『教会と学校での宗教教育再考――〈新しい教え〉を求めて』
森 一弘、田畑邦治、M・マタタ 編
詳細はこちら

『キリスト教をめぐる近代日本の諸相――響鳴と反撥』
加藤信朗 監修 鶴岡賀雄・加藤和哉・小林 剛 編
詳細はこちら

バナースペース

オリエンス宗教研究所

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